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ヨガと瞑想

2016.8.13

働く人の為の朝ヨガ 6つ効果

渡邉 寧 | 株式会社かえる 代表取締役

■ヨガ人口が増えている

ヨガする人、日本でも増えてますね。

2015年のマクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングの共同調査によれば、今後行いたいスポーツとして、ヨガ・気功・太極拳を上げた人は13.6%で、これは全スポーツの中で2位だそうです。

実際の日本のヨガ人口はどうなっているのでしょうか。

2006年に日本のヨガ人口は約33万人推計されていました。
アメリカのヨガ人口は全米ヨガアライアンスが推計しており、2016年で3,670万人だそうです。2012年が2,040万人だったそうだので、CAGR(年平均成長率)で15.8%

アメリカのブームは日本でも同様に起こることが多いので、仮に同じCAGRで2006年から日本でもヨガ人口が増えていたとしたら、2016年段階で143万人のヨガ人口になっているはずです。

日本のヨガ人口は、いまだアメリカの数%に過ぎないので、初期の成長率はもっと高い(仮に20%)と仮定すると、2016年段階で200万人以上のヨガ人口となります。

2013年段階で日本のヨガ人口が100万人を超えたといわれていたので、まあ今は140~200万人位という推計は当たらずとも遠からずかなと思います。

かくいう私も、ヨガを本格的に初めて2年弱になります。2005年に雑誌BRUTASの特集記事に影響を受けて、DVDを見ながらちょっとだけヨガはしていましたが、2年前からヨガスタジオに通いはじめました。そのままヨガインストラクターの養成講座に行き、去年の秋からは朝のアシュタンガヨガのマイソールに行くようになりました。

今では、ヨガをすることが生活の中の大きな柱になっています。

■働く人に朝ヨガをお勧めする理由

ヨガの始め方は色々あります。自宅で自分でやるのもありますし、ヨガスタジオに通うのもあります。

どういう始め方でも良いと思いますが、僕は働く人には朝ヨガをお勧めしたいと思います。特に、アシュタンガヨガのマイソールスタイル

アシュタンガヨガは、シュリ・K・パタビジョイス氏が体系化したものです。シークエンス(=ポーズの順番)が決まっていて、「マイソールスタイル」と呼ばれる朝の練習では、ポーズを少しずつ覚えて行きます。

働く人にこの方法をお勧めする理由は、これがヨガの効果を最も体感しやすい方法だと思うだからです。

これはヨガに限りませんが、間隔を詰めて継続して練習しないと変化は訪れません。(楽器の練習や語学の勉強もそうですよね)

ヨガは週5回程度の頻度で練習すると、劇的な変化を体感することが出来ます。特に最初の半年くらいは、もう毎日体が変わっていくのを実感します。ただ、働く人が週5日練習をするのは本当に大変ですね。夕方ヨガスタジオに行こうと思っていても、仕事の都合で行けなくなることは日常茶飯事。

マイソールスタイルであれば、朝早く(6時とか6時半とか)から練習をするので、継続した練習時間を確保することが比較的容易です。

もちろん、毎朝早く起きるという意思の力は必要です。そんな意思の力は自分にはないと思う人も多いでしょう。しかし、本当に意思の力が要求されるのは最初の数週間だけだと思います。この最初の数週間頑張れば、後は体が勝手に朝練を求めるようになります。意思の力はあまり必要ありません。

■朝ヨガの6つの効果

朝ヨガの効果、色々ありますが、僕にとっては下記の6つの効果がありました。

①姿勢が良くなった
②自分の体の不調サインに気付くようになった
③無駄遣いが減った
④集中力が増した
⑤気持ちが落ち着くようになった
⑥良い人に会えた

「体」が変わって、「行動」が変わり、「心」が変わり、「関係性」が変わった、という順番でしょうか。

■効果①姿勢が良くなった

デスクワークをしていると、姿勢が悪くなってきますね。特に背もたれのある椅子に座って1日中作業していると、お腹の筋肉を使わずに背もたれに寄りかかってしまうので、背骨の自然なS字カーブが崩れます。S字カーブが崩れると、腰椎に負担がかかりますね。で腰痛になる。

ヨガやると、このことに非常に意識的になりますね。

アシュタンガのシークエンスをする時、僕はいつも「お腹の旅」を意識するようにしています。お腹の筋肉を締めて、今お腹がどこを移動しているか(=旅をしているか)を意識的にコントロールしないと、流れるようなシークエンスにならないんですね。

これを続けていたら、いつの間にか勝手に骨盤が立つようになって、腰に負担がかかることが少なくなってきました。また、背骨を上に上に伸ばす意識が普通になっていて、日常生活でも猫背が無くなってきました。

昔は、意識しないと猫背になってしまい、自然なS字カーブの姿勢が取れませんでしたが、今では猫背の方が不自然な感じがしています。

■効果②自分の体の不調に気付くようになった

特に、食べるもの・飲むものと体の関係に敏感になりました。

アシュタンガヨガでは、毎日同じシークエンスをするので、ちょっとした体の変化にすぐに気付きます。昨日は楽だったポーズが今日はとても辛かったりします。何をどれくらい食べるかと体調が密接に繋がっているので、そこを意識的にコントロールしようとする意識が働くようになりました。

毎朝気持ちよく練習したいので、食べ過ぎない・飲み過ぎない・早く寝る、というのが習慣化しています。

■効果③無駄遣いが減った

これは特に食費に関して。

理由は色々あると思います。効果②で書いたように、適量しか食べない・飲まないので、食費が減ったということもあります。と同時に、ストレスが減ったことが大きいんじゃないかと思います。

周りでヨガをしている人からも良く聞く話なんですが、ストレス発散の為に美味しいものを食べるとか、ものを買う必要が段々なくなってきているように思います。良い仕事して、ヨガして、良いものをちゃんと食べて、親しい人と交流して、良く寝れば、それで結構幸せという感覚。

以前、物凄く忙しい仕事をしていた時は、そのストレスを発散する為か、外食費が毎月15万円位だった時がありました。あれはあれで良いのかもしれませんが、今はその必要が無くなってしまいました。

■効果④集中力が増した

これは、瞑想の効果と似ていると思います。

僕はヴィパッサナー瞑想もするのですが、ヨガはヴィパッサナー瞑想の前半部分にとても似ています。ヴィパッサナー瞑想では、最初に体の1部分に意識を集中させる瞑想をして、その後全身の微細な感覚に意識を向ける瞑想をします。

ヨガをしている最中は、体のパーツの微細な感覚に絶えず注意を向けているのですが、ここでやっていることは瞑想の前半部分でやっていることととても似ています。意識を向ける対象を固定することで心を落ち着かせ集中するという方法。

瞑想の効果は別の記事でも書きましたが(「実体験:ヴィパッサナー瞑想の効果」「ヴィパッサナー瞑想で得た10のおまけ効果」「効果実感:瞑想で仕事の集中力を高める方法」)、集中力が増すのは割とすぐに実感できる効果だと思います。アシュタンガヨガは「動く瞑想」と呼ばれているそうですが、この辺に理由があるのだろうと思っています。

■効果⑤気持ちが落ち着くようになった

昔ほどではありませんが、日々生活していれば気持ちが荒れることもあります。不安や怒りや悲しみなど、色々な感情に見舞われることもあります。

ただ、そんな時は時間を取ってヨガをします。時間をかけて丁寧に体に意識を向けるゆっくりとしたシークエンスを取り、その後瞑想をする。

そうすることで、荒れていた心が落ち着いてきます。

様々な負の感情を作り出しているのは自分自身の心なわけですが、ヨガと瞑想をすると「心は道具に過ぎない」ということが良く分かります。扱い方を変えると、後ろ向きな感情は減っていきます。

■効果⑥良い人に出会えた

そして、ヨガをやって本当に良いな~と思うのがこれです。ヨガやっている人には良い人が多いように思います。

親切で真面目な人が多い。「あー、こういう人になりたいなー」と敬意を感じる人も多いですね。

そういうコミュニティの中で生活を送れることは幸せなことだと思います。

■ヨガの始め方

上にも書いたように、ヨガの始め方は色々だと思います。どういう始め方でも良いと思いますが、まずは近くのヨガスタジオに行ってみるのが良いと思います。

僕は東京だったので、最初に代々木のアンダーザライト(UTL)に行きました。女性が多いので、最初は肩身が狭かったのですが、フレンドリーな方が多いのですぐに慣れました。

今は、朝、表参道のAYOでマイソールで練習をし、AYOに行かない時はUTLに行くか、家でマイソールの練習をするか、をしています。

良いヨガ生活を送れる人が増えると良いですね。

著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。 株式会社かえる 代表取締役

プロフィール詳細

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