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ヨガと瞑想

2017.2.25

朝ヨガから学ぶいくつかの人生教訓

渡邉 寧 | 株式会社かえる代表取締役

以前、「働く人の為の朝ヨガ 6つの効果」という記事を書きました。

働く人にとってヨガは色々とメリットがありますね。
前の記事でも書きましたが、「心の状態を整える」というのが一番大きなメリットでしょうか。

最近、ヨガの練習って人生の縮図のようだなと感じます。練習をしながら「ああ、良い人生ってこういうことなのかな」と気づくことが多い。その気づきをもって、日常に向かうとブレなくなる。

そんなヨガから学ぶ人生教訓をいくつか書き留めておこうと思います。

①達成感ではなく、練習の一瞬一瞬を楽しむ

ヨガのアーサナ(ポーズ)には難しいものが沢山あります。「こんなポーズ、絶対取れない」と思うものだらけ。

最初は出来ないと思うんだけど、練習を積み重ねていくと、出来ないと思っていたポーズが次第に出来るようになってきます。その達成感は確かに楽しい。

しかし、ヨガの楽しさはそれだけではない。というより、むしろ、達成感よりも「練習の一瞬一瞬」を楽しむことの方が大切だと感じます。

アシュタンガヨガはポーズの順番(シークエンス)が決まっています。なので、アシュタンガをやっている人は、毎日毎日同じことを繰り返しているだけ。難しいポーズはいつまでたっても難しく、昨日できなかったポーズは今日もできない。

それでも、その「出来ない一瞬」でさえ楽しむことが出来ると思うのです。なぜなら、ヨガって心と身体の対話だから。

ポーズを完成形に近づけるためには、自分の身体を意識的にコントロールすることが必要です。その結果、身体はその時点の骨格や筋肉の制約の中で最大限動く所まで動きます。

そして、身体は色々なシグナルを発してきます。「これ以上は曲がらないよ」、「ここに余計な力が入っているよ」、「昨日よりも1ミリ柔軟性が上がってるよ」、とか。そのシグナルをキャッチして身体のコントロールを変えていく。

これって、要はフィードバックを伴う心と体の対話だと思うのです。

集中力が要求されるので、たぶん脳内にドーパミンか何かが出ているんじゃないでしょうか。純粋に、身体の隅々に意識を向けているという状態自体が楽しい。

この「心と身体の対話」は、約90分の練習の初めから終わりまで続きます。純粋にその一瞬一瞬を楽しむことが出来る。

その瞬間の環境からのフィードバックを鋭い感覚で捉え、それに対して意識的にフィードバックを返す。

人生も似たようなものだと思うわけです。人生の一瞬一瞬を意図的・意識的に集中して生きていれば、たぶん人生は楽しい。

②正常な劣等感を持つことが大切

他人が出来るポーズを自分が取れないということは良くあります。ヨガを習っていると、「その人なりのヨガがあるのだから、他人と比較する必要は無い」と良く言われます。

これ、もうちょっと正確に言うと、「その人なりのヨガがあるのだから、人が出来るポーズが出来ないからと言って、劣等コンプレックスを持つ必要はない」ということなんじゃないかと思います。

アドラーは「劣等感」と「劣等コンプレックス」を区別して考えました。

「劣等感」とは正常な努力と成長への刺激ですが、「劣等コンプレックス」は、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状況です。

ヨガの練習をしていると、他の人のアーサナが目に入ることは良くあります。練習が進んだ人の身体の使い方を見ると、単純に「わー、すごいなー」と思います。で、「自分は出来てないなー」と思うこともある。

その認識自体は正しい観察なので、それで良いと思うのです。

問題なのは、そこから自動的に劣等コンプレックス的な思考と感情が、無意識に走り始めること。 「私は身体が固いから、あんな風には出来ない。あの人は恵まれていて・・・、どうせ私は・・・」

こうした劣等コンプレックスはその人の幸せには繋がらないし、よって社会の幸福にも繋がらない。

ヨガをしていると、常に自分には出来ないアーサナと向き合い続けることになります。

日々の練習の中で「出来ない」ということを「ああ、そうか、自分は出来ないんだ」と認識し、それを健康的なエネルギーに変換する。それが出来ているかどうかを毎日確認する。

それは心の健康のリトマス試験紙のようなものだと思うのです。

「劣等感」と「劣等コンプレックス」の間の、狭い狭い、成長に向かう心の緊張感を持てているかどうか。ヨガの練習は、その心の状態を保つ訓練で、そのことを日々の練習の中で確認していくわけです。

著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。 2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。株式会社かえる代表取締役。

プロフィール詳細

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