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MBTI

2014.10.22

30代から始まる「中年の危機」の正体と生かし方:MBTIを活用する

渡邉 寧 | 株式会社かえる代表取締役

■30代から始まる中年の危機(ミッドライフクライシス)


「自分の人生このままで良いのかな?」と思うことがあります。

私の場合、20代の頃は将来のキャリアの不安が中心でした。仕事で自分の力を発揮するにはどうすれば良いのか。会社で評価されるにはどうすれば良いのか。そんなことを毎日考えていました。

30代になって悩みの質がちょっと変わってきました。結局、自分は自分の人生を何に使いたいのか。自分はこれまで、自分の強みを生かしてキャリアを作って来たけれど、この先もこのままで良いのか。

35歳~50歳くらいの時期は「人生の後半への入り口」と呼ばれます。そして、この時期、多くの人が「中年の危機(ミッドライフクライシス)」と呼ばれる発達課題に直面します。自分の人生を振り返って「これがすべてなのか?」と悩む。

男性も女性も、この中年の危機(ミッドライフクライシス)に直面します。女性の方が少々早く、30代半ばから悩む人が多いようです。男性30代後半から40代にかけて悩みが始まります。

■中年の危機(ミッドライフクライシス)の正体


中年の危機(ミッドライフクライシス)は、人が共通して直面する人生の発達課題です。その為、これまで多くの人が中年の危機の正体を解明しようと試みました。その中でもユングは人の発達における人生後半の重要性を強調し、中年の危機(ミッドライフクライシス)の創造的な役割を指摘しています。

ユングは、人生の前半は社会的地位や財産を築くことが重要だと述べています。社会を生き抜くための「ペルソナ」を作る為に自分の強みを活用する。ユングの理論をベースとした性格検査のMBTIで言えば、主機能と補助機能を存分に使って自分が得意とするパターンで人生を切り開いていくことになります。

一方で、人生の後半では自分の内面への旅の重要性が指摘されています。死ぬことも含めた人生の全体的な意味を考える。MBTIで言えば、人生の前半で使わなかった第3機能と劣等機能の開発を行い、バランスの取れた「人としての成熟」を目指していく。

中年の危機(ミッドライフクライシス)は、人生の発達段階の転換点です。自分の強みを使って切り開いてきた前半の人生の対極に、自分が生きてこなかったもう一つの人生の可能性がある。その影のようなもう一つの人生の可能性に気づき、動揺するのが中年の危機(ミッドライフクライシス)の正体です。

■中年の危機(ミッドライフクライシス)の創造的役割


憂鬱で深刻な悩みが続く中年期。この中年の危機(ミッドライフクライシス)にはどのような役割があるのでしょうか?

賢者は、物事には「表」「裏」があることを知っています。人の「強み」「弱み」にもなりえます。人は人生の前半で自分の強みを使って人生を切り開きます。しかし、その強みだけで人生の後半も乗り切ろうとすると、老年期に深刻な問題を引き起こす可能性があります。

例えば、若い時期に「独立心」が旺盛で「自立心」に溢れた起業家が居たとします。この人はその「独立心」と「自立心」を強みに会社を立ち上げ、誰も見たことのない新しい事業を展開します。会社は順調に拡大し、この人は成功した経営者として世の中に名が知れ渡ります。

しかし、この人の強みは老年期に逆に老害になる可能性があります。例えば、「独立心」は後に「頑固さ」になってしまうかもしれず、「自立心」は「現実の検討欠如」という側面を出してしまうかもしれません。人生の前半で価値を出していた要素が人生の後半で逆回転を初めてネガティブなインパクトを出してしまう。

中年の危機(ミッドライフクライシス)は、人生の両面性を深く理解することに誘います。人はこの時期を通過し、人生から投げかけられる発達課題をこなすことによって、心の「利き手」「利き手でない方」のバランスを取ります。そして、人としての成熟度を増していきます。

■MBTIを中年の危機(ミッドライフクライシス)克服の指針とする


では、自分の心の「利き手」と「利き手でない方」の両面性を深く理解するにはどうすれば良いのでしょうか?

このブログでも何度かご紹介しているMBTIと言う性格検査は、人の心の「利き手」と「利き手でない方」の両面性を理解する上で役に立ちます。(参考:「MBTIとは?:MBTIが人生に役立つ3つの理由」

MBTIの概念には、4つの心的態度・機能でそれぞれ相反する二つの項目が存在します。そのどちらが「利き手」なのかを教えてくれるのがMBTIです。人生の前半は自分の「利き手」を十分に発達させることが重要です。自分が自然だと思うやり方で人生を切り開いていく。MBTIの用語で言えば主機能と補助機能を使う、ということになります。一方で、人生の後半は「利き手でない方」に目を向けることが重要です。MBTIの用語で言えば第3機能と劣等機能に注目するということ。

例を一つあげましょう。MBTIは16種類の性格タイプを分けるのですが、その中に“ENTP”というタイプがあります。起業家によく見られるタイプです。このタイプは「外界を直感的に捉える」ことを最も得意とします(主機能=外向直感)

人生の前半は、この利き手を使って人生を開拓して行くことが求められます。しかし、人生の後半では、このタイプが得意としない機能を敢えて開発することが必要となります。このタイプが得意としないのは「目の前にある情報をそのまま自分の中に取り込んで理解すること」です。(劣等機能=内向感覚)

この機能を鍛えるため、ENTPのある起業家は週末に「バードウォッチング」を始めたそうです。バードウォッチングでは鳥の数をそのまま観察し、記憶することが求められます。このタイプが得意としない「目の前にある情報をそのまま自分の中に取り込んで理解する」機能を鍛えるには大変良い方法です。

タイプによって「利き手」と「利き手ではない方」は異なります。MBTIは人生の後半を豊かに生きていくうえで、自分のどの部分を開発していくことが必要なのかを教えてくれます。中年の危機(ミッドライフクライシス)は「危機」というよりは、その後の人生を創造的に生きる上でのターニングポイントです。この時期に感じる課題にはしっかりと向き合って具体的な行動を行うことが重要です。

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著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。 2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。株式会社かえる代表取締役。

プロフィール詳細

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