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電車瞑想のススメ

ヨガと瞑想

2014.11.1

通勤瞑想のススメ:電車の中でヴィパッサナー瞑想をする効果

渡邉 寧 | 株式会社かえる 代表取締役

■通勤電車は瞑想に向いている


8月末にヴィパッサナー瞑想に行ってから、瞑想は完全に自分の生活の一部になっています。

瞑想の効果についてはこのブログでも何度か書いてきました。

私は朝と夕方に時間を取って瞑想するようにしています。

瞑想は家でやることが大半なのですが、最近、電車の中でも瞑想出来ることに気付きました。

きっかけは、苦手な東海道線の乗車時間を心安らかに過ごしたいと思って試行錯誤したこと。

実は、僕は東海道線の横浜~東京区間はトラウマがあって電車に乗れないんです。学生の時に二日酔いの状態で朝の東海道線のラッシュに乗ったら、扉が閉まった瞬間に貧血と吐き気を同時に催しました。人生最悪の10分間でした。地獄の横浜~川崎の10分間。気持ち悪いのに電車は止まらない。床にうずくまりたいのにすし詰め状態で身動きが取れない。しかし、万が一吐いたら電車の中は大参事になることは理性的に理解出来る。止まらない冷や汗。遠ざかる意識。

あの日の横浜~川崎の10分は本当に永遠に感じられました。

というわけで、東海道線は完全にトラウマ。ラッシュでなくても東海道線に乗る時は緊張するのです。しかし、最近東海道線に乗る機会が増えたので、この時間を心穏やかに過ごすために車内で瞑想をしてみたわけです。

その結果わかったのですが、電車で瞑想すると結構良い効果があります。心が穏やかになる。東海道線だと、川崎~東京で約20分、横浜~東京で約30分なので、瞑想時間としても手頃です。

■瞑想に適した電車内ポーズがある


電車の中では座ることもあれば、立つこともあります。電車内で瞑想するにはどのような姿勢を取るのが良いのでしょう?

色々試しましたが、個人的に最も瞑想モードに入りやすかったのは、両手でつり革に捕まる立位の姿勢でした。座って背もたれを使わない姿勢も悪くないのですが、立っている方が集中力が高まります。体のバランスを取らないとならないので、意識の力がより強く働くからではないかと思っています。

立位で瞑想する時は、バッグは網棚に置いた方が良いです。バッグを持つと左右対象の姿勢が崩れます。左右対象でないと体のパーツの感覚を掴む瞑想(ヴィパッサナー瞑想)がやりにくいです。そして、なるべく車内の真ん中・扉から遠い位置のつり革の前に立つことが望ましいです。周りの人の出入りが少なければ少ないほど集中しやすい。

あとは、両足を肩幅より気持ち広いくらいに開いて両手でつり革を掴みます。骨盤を立てて背骨を伸ばし、顎を引きます。頭頂部を天井から糸で引かれている感じ。

この姿勢で瞑想を始めます。私は最初に鼻の下と呼吸に意識を集中させる瞑想(アーナパーナ瞑想)を5分ほどやって、そこから体の感覚に意識を集中させる瞑想(ヴィパッサナー瞑想)を行っています。

電車の中は空気が澱んでいて、かつ動くので疲れやすい環境ではありますが、電車瞑想をして過ごすと結構すっきりとした気分で電車を降りることが出来ます。

■瞑想しながら、アイデアを入れる3つの箱を用意する


ところで、電車の中はアイデアを思いつく場所でもあります。昔から、三上(馬上、枕上、厠上)と言いますね。寝ている時とトイレに居る時に加えて、移動中はアイデアを思いつきやすいタイミング。アイデアの発案と瞑想を両立させることは出来るのでしょうか?

瞑想は意識の力で無意識をコントロールすることを目的としているので、無意識から湧いてきた考えは意識の力で浄化されます。しかし、無意識が送ってくるメッセージには様々な種類があり、その中には思いもつかなかったような良いアイデアが含まれます。この時、良いアイデアを浄化して忘れてしまっては勿体ない

そこで、瞑想に入る前に意識の中に3つのボックスをイメージしておくと良いです。もし無意識から良いアイデアが送られて来たら、即座にこのボックスの中に入れる

ボックスに入れたらアイデアのことは忘れて意識の集中に戻ります。3つ以上アイデアが湧いたらボックスの数を増やします。人間の短期記憶は7プラスマイナス2と言われています。5個までなら人は内容を確実に覚えていられます。3つのボックスで始めて必要に応じて5個まで箱を増やしていく。それ以上のアイデアが出ることは相当稀なので、大抵はこれで事足りると思います。

電車が目的地について瞑想を止めるタイミングになったらスマホの音声録音にアイデアを吹き込んだり、メモをとるなどして3つのアイデアの箱を空にします。

アイデアを送ってくれた無意識に感謝をする。ただし、無意識に認知の主導権を渡して妄想に時間を使うことはしない。アイデア発案と瞑想のバランスはこうすると上手く取れます。

■移動時間を効率的に使う


移動時間の効率的な利用方法は色々あります。本を読むというのはその代表でしょう。また、リスニングなど語学の勉強をするにも移動時間は向いています。

そうした移動時間の効率的活用法に加えて、「瞑想」もまた効率的な活用方法だと思います。ヴィパッサナー瞑想では、朝と夜の1日2回、それぞれ1時間ずつの瞑想を行うことが奨励されています。家で1時間も瞑想する時間はとても取れないという方は、移動中の瞑想は非常に効率的だと思います。

通勤時間が心を整える時間に変わる通勤瞑想。是非お試しあれ。

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著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。 株式会社かえる 代表取締役

プロフィール詳細

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