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MBTI

2015.9.3

「人間の器」について考える|MBTIの観点から

渡邉 寧 | 株式会社かえる代表取締役

 ■「人間の器」を大きくしたい・・・

「あーあ、ちいせーなー自分・・・」と思うこと、結構ありますね。

他人のちょっとした言動でイラッと来たりすると、その直後に自分の人間の器の小ささに気づいて反省する。
人間の器を大きくする。英語で言うと、”Enlargement of self”で、文字通り自分をグイッと引っ張って拡大する感じ。

自分の器が大きければ、他者を「一旦受け止めること」が出来る。脊髄反射のように、売り言葉に買い言葉で感情的な喧嘩になることもなく、また短絡的な結論を出す前に知性的に熟考することが出来る。

■MBTIと生涯発達  「人間の器」を大きくする

「自分をグイッと引っ張って拡大」して、人間の器を大きくする、という言葉を聞くと、MBTIのことをが頭をかすめます。

MBTIは個人の性格タイプを知るツールなんですが、人がどのように生涯発達していくか、というモデルを示すものでもある。自分が自分のタイプを超えて、どのように人間としての成熟を目指すのか、その道筋を示してくれます。

性格検査のツールは色々とありますが、MBTIが大半の性格検査ツールと違うのは理論(=ユング心理学)を元に作られているところ。理論的背景があると、出てくる示唆が一段高い。

先日、こんなことがありました。MBTIのベーシックフィードバックを実施した後に、個別フォローアップセッションをすることがあります。ベーシックフィードバックでわかった自分のタイプを元に、日常生活で何をどう変えていくか、ということを話します。

そのMBTIの個別フォローアップセッションをしていて、ある経営層メンバーに「で、自分はどうすれば良いか、アドバイス下さい」と聞かれました。通常のコーチングセッションであれば、「こうしてみたらどうですか?」といきなり提案することは稀。だけど、昨日はMBTIのセッションで、かつ経営層の方だったので「真逆のタイプになってみたらどうですか?」という提案をしてみました。

MBTIは構造的に「自分と真逆」のタイプが存在します。その真逆のタイプになって、部下や同僚と接してみたらどうですか?という実験提案。これ、言うのは簡単だけどはっきり言って激ムズカシイ。やってみればわかりますが、真逆のタイプを演じることは出来ないんですね。演じるとぺらっぺらの軽薄なものになってしまう。そして、真逆のタイプでいることは極めて居心地が悪い。

しかし、この努力は確実に人間の器を大きくすることに貢献すると思います。

■仏教、心理学、哲学、違う分野の人が同じことを言っている

昔から、人としてどう生きるか、を考えて来たのが哲学の領域で、「人としてどう生きるか」「人間の器をどう大きくするか」といった、根源的な課題を考える際には昔の哲人の残した考えがとても参考になります。

先日、ある本を読んでいて、カントの言う道徳的人間のあり方と、ユングの生涯発達(=個別化)の話が繋がったような感覚を持ちました。「あっ」と思いました。なるほど、ユングの言う「自己実現」とか「人間としての成熟」を目指す努力の姿勢は、カントの言う「道徳的な人間」の態度のことなんだな、と。

カントは「自分で決めた法則に従って、傾向ではなく義務として行動し、人間性を目指す人」のことを道徳的な人と言っています。正直、人は、自分のタイプにとって自然に思うこと・感じること(=傾向)に従って生きた方が楽。ここで、敢えて人間としての成熟を目指して、真逆の機能を開発する、っていうのはいばらの道。その道を進むっていうことは、自分の決めた法則に従って義務として行動をしていくということ。ユングが勧めているのはそういうことで、カントから見ればこれが人間の「自由」であり、道徳的ということなんだろうな、と思ったわけです。

ユングの話は仏教とも通じるところがあるので、自分の中で
仏教(宗教)⇔ユング(心理学)⇔カント(哲学)、が繋がりました。

宗教でも、心理学でも、哲学でも、結局、似たようなことを言っているように思えるわけです。過去の人たちが違う言葉で同じようなことを語っている。これが少しずつ紐解けていくのが面白い。

自分の人間の器の成長の為に、どのような方向に進むのか、そのことにまず自覚的になること。その為に、MBTIを使うというのは効果的なアプローチだと感じています。

著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。 2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。株式会社かえる代表取締役。

プロフィール詳細

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