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仕事とキャリア

2014.10.9

あなたが探しているのは天職か?それとも適職か?:天職の見つけ方

渡邉 寧 | 株式会社かえる代表取締役

■天職と適職

毎日、仕事が充実していたらどんなに良いか。一日の終わりに「ああ、今日も良い仕事したな~」と思えたらどんなに良いか。そう思う人は多いのではないかと思います。

天職に巡り会えればどんなに充実した人生になるか。自分の仕事が天職であると自身をもって言える人は多くは無いと思います。しかし、折に触れて出会う「自分の仕事が大好きだ」という人を見るにつけ、自分の天職の見つけ方を考えずにはいられません。

「天職」のことを英語で“Calling”と言います。文字通り「呼ばれる」ものです。内田樹さんは「キャリアのドアにはドアノブがついていない」と言いました。天職の見つけ方を考える時、そこに続くドアは自分で開けることが出来ない。向こうから空いた時に入っていくものだ、ということです。

それに対して「適職」という考え方があります。英語にすると“Proper Job”。キャリアを考える時、多くの人はこの「適職」を考えているように思います。新卒は適職診断を受けて就職する会社を選びます。MBTIという性格検査(参考:「MBTIとは何か:MBTIが人生に役立つ3つの理由」)がありますが、これも職業選択の場面で使われることがあります。

■天職と適職の見つけ方

「適職」は時間をかければ見つかります。なぜなら、「適職」は分析的な思考を進めると自ずと明らかになる類のものだからです。

発達心理学者のロバート・キーガンは、人は生涯を通じて5つの段階を経て発達していくと述べました。

第二段階:個人主義者(10%)
第三段階:社会の構成員(55%)
第四段階:自己創造(25%)
第五段階:自己への気づき(10%)
      (*カッコ内の%は米国での成人に占める割合)

「適職探し」は主に第三から第四段階に至る過程で行われます。自分の能力・性格を客観的に分析し、社会における仕事のニーズを分析し、そのマッチングを図る。第三段階では、自己と他者の「願い」が分離されていませんが、第四段階になると「自分が人生で何を願うのか」がはっきりとわかるようになります。(この過程でコーチングは非常に大きな助けになります)

一方、「天職探し」第四から第五段階に至る過程で行われます。この段階では自己のエゴは世の中を見るフィルターの一つに過ぎないことに気づき、個々人よりも人間全体に関心が移ります。

「天命に打たれる」と言うのでしょうか。「適職」から「天職」へは非連続なジャンプがあるように思います。自己分析を続けても、おそらく天命に打たれることは無いでしょう。適職探しで行った深い自己分析を基礎としつつ、「呼ばれる(Calling)」のを待つのが天職のみつけ方だと思います。

■天職の見つけ方は、他者の願いを探すこと

「キャリアのドアにはドアノブは付いていない」為、自分で天職への扉を開けることは出来ません。しかし、ドアをノックすることは出来ます。

直感的に「この先に何かがありそう」な扉は叩いてみると良いと思います。その扉が空くかどうかはわかりません。しかし、あなたのノックに向こう側の誰かが気づいて、その扉が開くことがあるかもしれません。

「あなたにこの仕事をして欲しい」と言われることは幸せです。ドイツの哲学者ヘーゲルは人間の欲望には「動物的欲求」と「人間的欲求」があり、「人間的欲求」を満たすには他者の存在と承認が必要だと述べました。

人間の欲望は「相手から欲望されている状態を欲望する」という二重の構造を持っています。「あなたにこの仕事をして欲しい」という相手からの願いは、この欲望の二重構造を満たします。

ドアノブの付いていないキャリアのドアを「ノックする」ということは、要は、自分が出来ること・やりたいこと他者に向かって率直に示すことを意味します。職場でも構わないし、職場外で試すのでも構いません。とにかく、他者を相手に自分を開示し続ける。私はこれが出来る、これがやりたいと言い続ける。そして実行し続ける。そうする中で、ある日他者から「あなたにこの仕事をして欲しい」と言われます。

天職はおそらくそんな他者からの願いの中に有るんだろうと思います。

コーチングは定期的な内省の時間を確保します。1~2週間に1時間。その時間はコーチの助けを借りて完全に自分に向き合う時間となります。この時間を有効に使いつつ、セッションとセッションの間に実験を行うことが重要です。直感的に「何か有りそう」と思う領域で、自分を他者に向かって開くこと。そうした実験の結果をセッションでもう一度振り返ること。コーチングを使った天職の見つけ方は要諦はここにあると思います。

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著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。 2014年に独立し、現在は「人と組織が変わること」に焦点を絞ったコンサルティングに取り組んでいる。プライベートではアシュタンガヨガに取り組み、ヨガインストラクターでもある。株式会社かえる代表取締役。

プロフィール詳細

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