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6次元モデル(異文化を理解するフレームワーク)ブログ歩きながら考える
2025.11.11
飲み過ぎを「見える化」する実験を始めたいと思った話 – 歩きながら考える vol.165
渡邉 寧 | 京都大学博士(人間・環境学)
今日のテーマは、ちょっと試してみたいと思っている生物学的老化度テストに関して。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)毎日お届けしています。
こんにちは。今日は移動時間を使って、最近考えていることを話してみたいと思います。テーマは「健康管理」なんですけど、実はこれ、僕自身がちょっと課題を抱えていて。自分の体で実験してみようかなと思っている話です。
酒量コントロールは難しい
きっかけは、11月8日の日経新聞の記事を読んだことでした。「老化時計は巻き戻せるか」っていうタイトルで、記者の方が「エピクロックテスト」という検査を受けて、3ヶ月間の生活改善で生物学的年齢を若返らせた話が紹介されていたんです。
この検査、採血データから得られる「DNAメチル化」という遺伝子情報を解析することで、生活習慣が体に与える影響を数値化できるんですね。で、検査項目の中に「アルコール暴露レベル」っていうのがあって、これが僕にとってすごく気になったんです。
なぜかというと、最近、自分の飲酒量が危険水域に入ってるんじゃないかっていう自覚があって。飲み屋に行くのは、普段話さないような人の話を聞くという街のフィールドワークを兼ねていて、自分にとっては結構重要なことなんですよね。
ただ、問題は飲み始めると止まらなくなっちゃうこと。「ちょっと飲みすぎちゃったな」って思う日が定期的にあって、体に悪いんだろうなと思いながらも、必要不可欠だからしょうがないよな、というのが現状です。

「見える化」が無意識に行動を変えるかもしれない
そこで思ったんです。もし、この飲酒の影響を数値化できるとしたら、少しはコントロールできるんじゃないか、と。
もちろん、アルコール飲んじゃうと意識の力って落ちるわけで、その場で自制するのは難しい。でも、定期的に数値化して測っていれば、無意識レベルで行動が変わってくるんじゃないかと思うんです。その場で「今日はこの辺でやめとこうかな」って思ったり。そういう無意識に働きかけるアプローチっていうのもあるんじゃないかと。
行動経済学でいう「ナッジ」みたいなものでしょうか。直接的に行動を制限するんじゃなくて、情報を可視化することで、自然と行動が変わっていく。
日経の記事によると、記者の方は「アルコール暴露レベル」が最初は5段階中3番目の「中程度」だったのが、3ヶ月後には「ほぼ無し」に改善したそうです。本人は「強く意識したわけではない」と言っているんですけど、飲酒量が減っていた。これ、面白くないですか?
京都でも受けられるみたいなんで、近々エピクロックテストを受けてみようかなと考えています。

ウェアラブル×採血データが拓く未来
こういう健康管理って、これからデータ化とAIでどんどん進化していくんだろうなと思っていて。
ただ、正直なところ、エピクロックテストみたいな採血データの解析は、それなりにコストがかかるんですよね。だから頻繁に測定するようなものではないかもしれない。でも一方で、Apple Watchみたいなスマートウォッチなら、心拍数、運動量、呼吸、睡眠の質とか、割と安価に高頻度でデータを取れるようになっています。
この組み合わせが面白いなと思っていて。高頻度だけど表面的なデータ(ウェアラブル)と、低頻度だけど深いデータ(採血)を組み合わせて、AIが分析する。そうすると、個人個人に最適化された健康管理のアドバイスができるようになる。
これが一般化すれば、個人個人が見える形で健康管理をして、健康寿命を伸ばすことができるんじゃないかと思うんです。産業的にも、すごく期待している分野です。
まとめ:自分の体で実験してみます
というわけで、今日は「老化時計を巻き戻せるか」というテーマで、エピクロックテストを受けてみようと思っている話をしてみました。
酒場という社交の場を大事にしながら、でも飲み過ぎは避けたい。その微妙なバランスを、「見える化」というアプローチで取れないか。これ、同じような悩みを持っている人、結構いるんじゃないでしょうか。
実験するとしたら、またブログでシェアしようと思います。うまくいくかどうかは分かりませんが、データを見ながら自分の行動がどう変わるのか、楽しみにしています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう!
著者プロフィール
渡邉 寧YASUSHI WATANABE
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い。 経歴と研究実績はこちら。
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