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6次元モデル(異文化を理解するフレームワーク)ブログ歩きながら考える

2025.9.26

男の仕事が消えていく話:ニトリの最新倉庫で見えた未来 – 歩きながら考える vol.135

渡邉 寧 | 京都大学博士(人間・環境学)

今日のテーマは、力仕事など男性ならではの仕事が消えるかもしれないという話。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)毎日お届けしています。

こんにちは。今日は移動時間を使って、「男の仕事が消えていく話」について考えてみたいと思います。きっかけは9月24日の日経新聞で見た記事なんですけど、これがなんか、今後の社会について考えさせられる内容だったんですよね。歩きながら、ゆるく話してみようと思います。

ニトリの倉庫で女性が6割という衝撃

まず最初に、びっくりした数字から。ニトリホールディングスが埼玉県幸手市(さってし)に作った最新鋭の倉庫、ここで働くスタッフの約6割が女性らしいんですよ。

倉庫の仕事って言ったら、重い荷物をフォークリフトで運んで、汗だくになりながら働く「男の職場」ってイメージありません? 実際、きつい、汚い、危険の3Kの代表格で、これまでは圧倒的に男性中心の職場だったわけです。

でもこの倉庫、2025年3月に稼働したばかりの最新鋭システムで、ダイフクという会社の自動化技術が入ってて、基本的に機械が勝手に荷物を運んでくるんだそうです。人間がやるのは、手元に届いた商品を指示通りに箱に詰めるだけ。

棚数4万5000台、商品1万4000種類を扱う巨大倉庫なのに、重労働がほぼゼロ。これ、すごくないですか?

テクノロジーが変える「男の仕事」の定義

で、ここから考えちゃったのが、いわゆる「男性向きの仕事」ってどんどん減ってるよなって話です。

倉庫だけじゃないんですよね。建設現場でもパワーアシストスーツみたいな補助装置が出るかもしれないし、農業だってドローンやAIを使ったスマート農業が出てきている。重いものを持つ、力が必要、危険な作業、そういう「男性じゃないと難しい」って言われてた仕事が、テクノロジーでカバーできるようになってきた。

むしろ今、価値が上がってきてるのって、コミュニケーション能力とか、細やかな気配りとか、ケアの分野だと感じませんか?お客さんとの丁寧なやり取りとか。これまで女性が得意とされてきた分野が、実は今の時代に一番必要とされるスキルになってきてる気がします。

経済力の逆転が始まってる?

ちょっと大きな話になるんですけど、女性の社会進出が進んで、共働きが当たり前になって、女性の経済力がどんどん上がってますよね。

昔は「男が稼いで家族を養う」っていうのが、男性の存在意義みたいなところがあった。でも今、その前提が崩れてきてる。女性も稼ぐし、場合によっては女性の方が稼ぐケースも増えてる。

その上で、これまで男性優位だった仕事の分野でも、テクノロジーの進化で性別関係なくなってきた。いや、むしろ女性の方が向いてる仕事が増えてきてる。

実際、日本で幸福度調査をすると、女性の方が男性より高いっていうデータもあるんです。なんか、立場が逆転してきてる感じがしません?

もし子どもの性別を選べたら

ここでちょっと思考実験なんですけど、もし将来、生殖技術が進んで、生まれてくる子どもの性別を選べるようになったとしたら、親はどっちを選ぶんでしょうね。

昔なら「跡継ぎが必要だから男の子」とか「労働力として男手が欲しい」とか、そういう理由があった。でも今、個人主義の時代で「家を継ぐ」なんて概念も薄れてきてる。

その上で、データ的に見ると男性の方が中高年になってから孤独を抱えやすく、幸福度も低い。社会的な役割も縮小していく傾向にある。

そうなったときに、「やっぱり男の子がいい」って言える理由って何なんだろう。これ、ちょっと考えさせられません?

というわけで、今日はニトリの倉庫の記事から始まって、男性の役割の変化について、歩きながら考えてみました。

もしこの記事を読んで何か感じるところがあったら、ぜひSNSでシェアして感想を聞かせてください。みなさんは、これからの時代の「男性の役割」について、どう思いますか?

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう!

著者プロフィール

渡邉 寧YASUSHI WATANABE

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い。 経歴と研究実績はこちら

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