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6次元モデル(異文化を理解するフレームワーク)ブログ歩きながら考える
2026.5.13
日本人の「あやふや英語」を矯正する、良い方法を見つけた話 – 歩きながら考える vol.286
渡邉 寧 | 京都大学博士(人間・環境学)
今日のテーマは、AIを使って英語っぽい表現を学ぶ方法について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)毎日お届けしています。
こんにちは。今日は、僕が毎朝やっているAIとの英会話散歩について話してみようと思います。最近続けている習慣なんですけど、これがなかなか面白くて、単なる英語練習を超えて「言語と思考の関係」を考えるきっかけになっているんですよね。歩きながら、ゆるく話してみます。
30分の徒歩通勤がちょうどいい理由
僕、毎朝、家から作業場まで30分くらいかけて歩いているんですよ。ちょっと前まで電動自転車に乗ってたんですけど、体力低下が数値(VO2MAX)で見えてきちゃったんで徒歩に変えたんです。で、この30分がAIと話す時間としてちょうどいいんですよね。
何を話してるかっていうと、まずその日のスケジュールを確認するんです。AIにカレンダーのイベントを読んでもらって、リマインダーに入れているToDoリストも確認して、その日の作業計画を立てる。例えば「今日は論文の修正があるな」みたいな話だったら、「どの部分をどう直そうと思ってるか」をAIと壁打ちして、頭を整理しながら歩く。作業場に着く頃には、もう仕事モードに入っている、みたいな。
ちなみに僕はClaudeを使ってるんですけど、GeminiでもGrokでも、好きなAIを使えばいいと思います。で、これを英語でやっているんです。最初は単に「英語のリスニング・スピーキングの練習にもなるしな」くらいの軽い気持ちで始めたんですけど、続けているうちに、これが思った以上に深い体験だなと感じるようになってきました。

日本語の「ふんわり」が英語だと「あやふや」になる問題
英語で話す際に最近意識しているのは、日本語と英語って、求められる表現の強さが全然違うということ。
英語って、少し強めで明確な表現を使った方が伝わりやすいんですよね。一方、日本語であんまり強い表現を使うと、なんか角が立っちゃったり、強すぎる印象を与えちゃう。「〜だと思います」「どっちかっていうと」「よくわからないんだけど、こういう感じ」みたいにぼやかして話した方が、柔らかな印象になって、聞いてる側も心地よく聞ける。これは日本語のいいところだと思うんです。
でも、この思考スタイルが染み付いたまま英語を話すと問題が起きる。表現があやふやになっちゃうし、自信がない人みたいに見えちゃうし、相手の頭の中に「で、結局何が言いたいの?」というはてなマークが浮かんじゃう。
要するに、ワードチョイスが抽象的になっちゃうんですよね。「英語が下手」というより、思考のOSが日本語仕様だから、英語に切り替えてもふんわりした表現を選んでしまう、ということなんじゃないかと思います。

「You know what I mean?」で自分を強制的に矯正する
で、これをAIを使って少しずつ矯正できないかな、と思って最近トライしているのが、「You know what I mean?」メソッドです(勝手に名付けました)。
やり方はシンプルで、何か自分の言いたいことを英語で言ったあと、なるべく短いチャンクごとに「You know what I mean?(僕の言ってること、わかる?)」とAIに聞くんです。そうするとClaudeはですね、必ず「わかりますよ」と言った上で、こちらが言ったことをリフレーズしてくれる。
このリフレーズが、すごく勉強になるんですよ。Claudeがどういう動詞を使っているか、どういうワードチョイスをしているかを聞くと、自分が英語で言った内容よりもはるかに明確でわかりやすい表現を使っているんですよね。それを聞いて、「あ、なるほど、こう言えばいいのか」と思って、自分でもう一度使ってみる。で、また「You know what I mean?」と聞くと、今度は別のリフレーズが返ってくる。同じ内容について、違う表現が次々と出てくるから、語彙のバリエーションが自然に広がっていく。
これ、訓練としてすごくいいんじゃないかなと思っていて、最近すごくやっています。なんていうか、自分の英語を「英語っぽい英語」に少しずつ近づけていく作業ですよね。

言語のスイッチで、思考のOSもスイッチする
ここまで話してきて思うのは、英語学習って単に「単語と文法を覚える」ことじゃないんだな、ということ。
英語で喋っているときに、思考も完全にスイッチして、英語の論理、英語の理屈、英語の当たり前で話せるようになっていく。この言語のスイッチを通じて、思考スタイル自体を変えるというのが、僕にとってはこの練習の一番の魅力なんですよね。
つまり、言語は単なる伝達手段ではなく、思考の枠組みそのものなのかもしれない、と。日本語で考えるときと英語で考えるときでは、ものごとの捉え方や、何を強調するかが微妙に違う。両方のOSを使えるようになると、ものの考え方の幅が広がる。これは、グローバルに仕事をする人にとっては、すごく大事な能力なんじゃないでしょうか。
若い時にこういうトレーニングができたら本当によかったのにな、と思いますね。ただ、何歳になっても遅すぎるということはないと思うので、少しずつ頑張ってやっていきたいなと。
というわけで、今日は「AIと英語で歩く」という話から、言語と思考の関係について歩きながら考えてみました。皆さんも、もしAIで英語練習をしているなら、どんな工夫をしているか、ぜひ教えてください。
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著者プロフィール
渡邉 寧YASUSHI WATANABE
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い。 経歴と研究実績はこちら。
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