Blog
今日のテーマは、最近歩きながらAIと話すやり方をちょっと変えてる件。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)毎日お届けしています。
こんにちは。今日は家に帰る道すがら、最近のAIの使い方とそこに感じてる不満について、ちょっと話してみようと思います。ソフトウェアとハードウェア、両方にアップデートしてほしいっていう話なんですよね。歩きながら考えてみます。
仕事のタスクは、なぜか歩いてる時にこそ動き出す
僕は通勤の行き帰りでAIと毎日話してるわけですが、最近はClaudeを使ってます。前はGrokとかSesameも使ってたんですけど、結局Claudeに落ち着いていて。理由はシンプルで、仕事ではClaudeを使ってるから、そのプロジェクト内のチャットとして扱える方が便利なんですよね。音声会話の自然さやレスポンスの良さで言うと、正直Claudeが飛び抜けてるわけじゃないんですけど。
で、歩きながら何をしてるかというと、仕事のタスクの確認とか壁打ちなんです。机の前に座ってる時より、歩いてる時の方が思いつくことって結構ある気がして。書いてる論文のあの議論ってこういう方向で詰めた方がいいんじゃないか、とか、このプロジェクトの次のステップどう設計するか、とか。細かい情報を調べたくなることもあるし。
ただ、ここで2つ、不満というかニーズがあります。1つはソフトウェア的な話、もう1つはハードウェア的な話です。

ソフトウェア的不満:ボイスモードが、テキストモードより明らかに浅い
まずソフトウェア。ボイスモードで話してる時のClaudeと、テキストでチャットしてる時のClaudeって、頭の良さがだいぶ違うわけですね。
ボイスモードでもウェブ検索はできるし、Googleカレンダーに予定書き込んだりはできる。簡単な情報のやり取りなら問題ないんです。でも、ちょっと込み入った話、深い壁打ちをしようとすると、表面的な応答で終わっちゃう。テキストでチャットしてる時とは別物です。
ここをなんとかしてほしいなと、すごく思ってるんですよね。将来的には絶対に解決すると思うんですよ。口頭で高度な対話ができるパートナーになるのが理想なんで、開発はそっちに向かうはず。ただ、優先順位がそこまで高くないのか、もうしばらく時間がかかりそうな気もしています。
ハードウェア的不満:代替案を使ってるけど、事故る
ボイスモードがしっくりこないので、代替案を使ってます。
スマホでTypeless(タイプレス)を使って音声入力をして、テキストチャットとして送る。そうすると、深い対話ができる普通のモデルで応答が返ってきて、それをスマホ画面で読む。入力は音声、出力はテキストっていう非対称な使い方ですね。これは以前のブログでも書いたんですけど、人間の認知能力的に入力は音声が速くて、出力はテキストで読む方が速いんですよ。音声で返されると話を全部聞かなきゃいけないし、流れて消えちゃうから振り返れない。テキストなら拾い読みもできるし、後から見返せる。
これ、めちゃくちゃ便利なんですよ。深い壁打ちもできるし、情報も残る。
ただ、一つ問題がありまして。それは歩きながらスマホになるので危ない、ということ。
歩きながらスマホの画面を見るって、普通に危ないじゃないですか。人にぶつかったり、車に轢かれたりしかねない。なので最近は、スマホを目線の高さに持って、画面と前方を同時に視界に入れながら歩くっていう、ちょっと変な姿勢で歩いてます。これだと事故らないんですけど、今度は手が疲れるんですよね。

期待してるデバイス:ARグラス
なので、本気でARグラスが必要だと思ってます。文字情報を視界の端に流して、音声で対話する装置。画面じゃなくて視界の端に文字、手は自由、視線は前方——これが理想です。
最近そういうデバイスがちらほら出てきてはいるんですよね。視界の端に文字を表示するタイプのAIグラスとか。ただ、自分のニーズに合うものがどれぐらいできてるのか分からなくて、なかなか購入に踏み切れない。7万とか10万とかしますからね、軽い気持ちでは試せない。でも、こういうデバイスが本当に必要だなと思ってます。
『Her』のイヤホンとは、違う方向だと思う
映画『Her』では、AIとの対話はイヤホンでしたよね。みんな街中で独り言を言ってる、ちょっと異様な世界。AirPodsとChatGPTを組み合わせて「『Her』の世界が来た」って言う人もいるけど、僕は違うと思うんですよね。
入力は音声でいいんです。でも、出力は今のところテキストで見た方が速い。だから眼鏡型だと思います。
そのうちNeuralinkみたいに脳神経と直接繋ぐ未来もあるんでしょうけど、それはだいぶ先の話。しばらくは眼鏡型の開発競争が続くんじゃないかなと。
僕のニーズはたぶんかなりニッチなんで、巨大な市場になるとは思えないんですけど、確実に存在するニーズではあるので、高価格帯でもこの商品開発は進んでいくんじゃないかなという気はしています。早く来てほしいですね。
というわけで、今日はボイスモードへの不満と、いま代替的にやってる工夫、そして期待してるデバイスについて、歩きながら考えてみました。同じような不満を感じてる方、もしくは「もう良いデバイス使ってるよ」っていう方がいたら、ぜひSNSでシェアしてコメントで教えてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。いいねやフォローをしてくれると励みになります。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう!
著者プロフィール
渡邉 寧YASUSHI WATANABE
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡りマーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い。 経歴と研究実績はこちら。
関連ブログ Related Blog
2026.1.27
AIが『最近、人と話してないですね』と言ってくる未来。これって幸福? – 歩きながら考える vol.216
今日のテーマは、AIが生活スタイルに関して即時フィードバックをしてくる未来と幸福感について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだ... more
6次元モデル(異文化を理解するフレームワーク)ブログ個人主義(IDV)歩きながら考える
2025.8.6
AIが経営会議に入ったら、日本の会社はどう変わるか – 歩きながら考える vol.100
今回は、キリンの経営会議にAI役員が参加するようになった話。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる... more
2025.7.2
AIには「来歴」がない?東アジアで進むAI実装の未来と信頼の条件 – 歩きながら考える vol.76
今回は、人がAIを信頼する条件について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平... more